【教員向け】冬の花を探してみよう
横浜市鶴見区内にある「三ツ池公園」でフィールドワークをしました。
鶴見区内小学校では、遠足や生活科での校外学習で使われます。
園内の樹木には、末吉小学校の児童が作った名札が取り付けらていました。
「何となく散策」しているだけではもったいない公園です。
見分け…つきますか?
公園に限らず、道を歩いていてもよく見かける花です。
写真を見比べてみると、同じように見えて実は違う花であることがわかります・・・。
公園に限らず、道を歩いていてもよく見かける花です。
写真を見比べてみると、同じように見えて実は違う花であることがわかります・・・。
それは…花びらの落ち方です。
それぞれ花の下の様子を見てましょう。
バラバラに散る花びら
こちらは、左の写真の花です。
よく見ていただくと、花びらがバラバラに散っているのがわかります。
花びらが1枚1枚バラバラに散ることが特徴です。
童謡「たきび」の歌詞にもでてくる花で有名ですね。
リズミカルなメロディの「たき火」は口ずさんでも、今では街中でたき火を見かけることはなくなりました。たき火から有害物質のダイオキシンが発生することなどから、条例などで禁止になっています。たき火で焼き芋を作るのは昔話になりました。
そう言えば、サザンカの垣根も余り見かけなくなりました。手入れの必要な生垣よりも、塀の方が好まれるようになったようです。それに、家の周囲には目隠しがない方が泥棒に入られにくいという防犯上の理由から、垣根のないオープン外構の家が多くなったこともあるのでしょう。
今の子どもたちにとっては、「たきび」は非日常のものになってしまいました。
「『たきび』の歌詞ででてくる花だよ」
と伝えても、童謡を聞いたことがない子どもも多く???マークだらけになります。
ぜひ、実物を見かけたときには「たきび」の歌も紹介してあげてください。
幼稚園や低学年の場合は、音域的にも歌いやすい曲です。
歌詞に出てくる言葉はなじみのない言葉なのでその情景を解説してあげるといいですね。
サザンカは道端でも目にすることができます。
こちらは、右の写真の花です。
サザンカと違い、花ごとポトリと落ちているのがわかります。
ツバキ(椿)です。
花の頭ごとポロリと落ちるのが特徴です。
花首から落ちるツバキの散り際から「首が落ちるので縁起が悪い」と武士には嫌われていたというエピソードが有名です。
しかし、諸説があるようで以下のような研究結果も出ているようです。
兵庫県立フラワーセンターの滝口洋佑さんがこの俗説を明らかにするために行われた研究によると、この「武士の首がぽとりと落ちるようで縁起が悪い」という説は、明治時代に作られ広まったものであるそうです。幕末から明治初めに薩摩や長州の出身者から “やられっぱなし” だった江戸っ子たちが、ツバキ好きの薩長出身の政府高官らが大手を振って歩くのに対する鬱憤晴らしで言い出したのが始まりで、これがあたかも本当の話として全国に広まったようです。
それどころか、時の将軍がこのツバキを愛したことから、芸術作品の題材としてツバキが多く取り扱われてきました。どうやら江戸時代では、「ツバキブーム」が起きていたとか。
また、ツバキの愛好家たちが品種改良をつづけた結果(なんと室町時代から行われていたようです)、今では数千種の品種があると言われているそうです。
日本で古来から愛されるツバキ。
華やかさと控えめな清らかさを合わせもつ和の代表的な花です。
それでも、「首から落ちる」という様子から、入院見舞いや退院祝いにもっていく花としては避けなければなりません。
気をつけましょう。
最後に…この花はサザンカ?ツバキ?
これはサザンカです。
サザンカにも品種があり、中にはツバキにそっくりなものもあります。
開花時期はサザンカのほうが早く、12月にはサザンカのほうが多く見られるようです。
ですが、ツバキも品種によって12月に咲くものもあり、一概にこの時期に見られるものが全てサザンカとは言えないようです。
上記のページには、今回紹介した見分け方以外の方法が載っています。
園芸、歴史、生薬…調べれば調べるほどツバキとサザンカの奥深さがわかります。
興味のある方は、ぜひツバキとサザンカの「沼」にハマってみては?